営業経験者から語る相見積

お見積もり私は35歳、営業職をしておりますサラリーマンです。大手住宅設備メーカーを退職し、事務機器中心の販売店で現在営業をしております。事務職、営業職の方ですと仕事をしていると一度は耳にする言葉だと思います。

相見積とは日本語表現辞典では一つの工事について複数の業者から見積もりを出させて比較することと記載があります。これはすべてに当てはまるものではございません。工事だけではなく、単体の商品であっても相見積を取ることは多々あります。

ここで相見積をとる側のメリットとデメリットを私の経験を踏まえながらご紹介したいと思います。

 

まずは相見積を取る側のメリットです。

1つ目は、より安い価格で契約できるということです。たとえば、テレビを自分自身で購入する際に、みなさんはどうしますか?みなさんは、大手の家電ショップ、地元の電気屋さん、ネットでの通販等さまざまな媒体で購入を検討するでしょう。具体的には、それぞれ同じ商品で価格を比較する、同じような商品で同じ機能性での値段を比較するでしょう。それを会社の経費でテレビを購入するときに置き換えてください。そうした場合に、購入する担当者が、家電ショップへ周り、値段を見て、現地で購入し、会社へ持っていき、自分たちで設置をする。そのような時間は、会社の購入担当者にはございません。そう言った場合に、テレビを取り扱う業者に対して、見積りをお願いし、比較して一番安いところで購入できるのです。

2つ目は、時間を有効に使えるという点です。1点目で少しご説明させていただきましたが、自分が徹底的に調べて、相場を知るのは勉強にはなりますが、そんなことをしている時間がないということがほとんどではないでしょうか。その仕事を業者にお願いすることで、時間的な自由を得ることができるのです。

3つ目は、業者を比較できることです。価格だけでなく、人柄なども観察できます。私は見積りを出す側で、日々の営業経験をもとにご説明させていただきます。

例えば、私がお客様に外壁塗装の見積りをお願いされ、注文をいただいたとしましょう。注文いただくまでに、外壁塗装のことでの問い合わせやその他やりとりは何度か必ずあります。その際に、外壁塗装のことを聞くだけではなく、その他雑談も必ず営業すると出てきます。そう言った場合に、外壁塗装のことだけではなく、購入する側としても違う情報を聞くことができます。外壁塗装に関係ないことであったとしても、もしかしたらその人のプライベートに関することでプラスになる情報が得られる可能性はございます。すぐにプラスになる話ではなかったとしても、そのお客様のプライベートの充実は、将来的にプラスになる可能性はございます。今現在、リフォームで様々な策がとられております。お客様のプライベートを知ることができれば、より精度の高いご提案やお見積もりを作成できる可能性は大いにございます。

 

次に相見積を取る側のデメリットです。

1つ目は、見積りを取りすぎた場合、対応に時間を取られるという点です。少しでも安く契約したいという気持ちが強いあまり、複数の業者に見積もりを依頼する会社がよくいらっしゃいます。依頼をした以上、業者がお家の点検に訪れます。それに対して、お客様も丁寧に対応しなければ、業者との信頼関係を損ねますよね? では、5社に見積もりを取った場合、外壁塗装をするのに5社分の返事が必要になるということです。その待ち時間は非常にもったいないことです。

2つ目は、相見積を取りすぎた場合、業者からの信頼は薄れ、お客様として大切に扱われることが少なくなるということです。例えば、2社に相見積を取った場合を考えましょう。お客様が安くしたいがために、2社の業者に値段交渉をします。値段の高い方の業者に、この値段まで頑張ってくれたら、おたくで外壁塗装しますというようなお願いをされると営業としては注文がほしいので、値段を下げますよね? そして、依頼された金額で見積りを出した金額を見て、お客様はもう1つの業者に出された金額より低い金額をお願いする。それの繰り返しで、最終的には安い業者で購入するのですが、業者側としては、どれだけ希望の値段を出しても注文が取れず、うそをつかれて、裏切られる。そういった感情になり、そうれあれば、業者の方も疲れてしまい、そういったことをしないお客様を丁重に扱うことになるのです。業者によってはライバルの業者に相見積もりと伝えることもあります。これは単に値段勝負だから、あまり良いお客様ではないということを伝えているのでしょう。

まとめますと、相見積を取ることは簡単ですが、単なる値段勝負をさせるためだけに使うのは勿体ないということです。業者の営業経験者から語る相見積も使って欲しいのです。値段の比較だけであれば、相見積りの良さをほとんど活かしてないことになります。